北海道新聞にデジタル教科書のコメント掲載
2021年6月7日発行の北海道新聞に「デジタル教科書 学習効果は」(16面) という記事が掲載されました。そのなかほどに、デジタル教科書についての私のコメントが記載されています。
記事の冒頭では、小中学校5校でデジタル教科書を利用したところ、現場からは良好な評価が得られたことが紹介されています。それでも「学習効果を疑問視する声もある」と記事は続きます。その冒頭で、柴田教授はデジタル教科書には集中を妨げる要因があり、情報端末に不慣れだと操作に気を取られる可能性があることを指摘。最後に「紙とデジタルの特徴、利点を踏まえ、場面に応じて使い分けるべきだ」と指摘しています。
先週、北海道新聞の記者の方から連絡があり、30分ほど電話インタビューを受けました。その内容をふまえ、記者の方が以下のように文章をまとめてくれました。
『紙と電子媒体の違いを研究する群馬大の柴田博仁教授(認知科学)は「子どもが集中して考えるべき場面でデジタル教科書を利用するのは望ましくない」と指摘。デジタル教科書はカーソルやメール着信の知らせなど集中を妨げる要因が多く、情報端末に不慣れだと操作にも気を取られるためだ。
また、成人を対象に媒体による読み書きの速度や内容の理解度、記憶量の違いを比較する実験では、紙の方が電子媒体より優れているという結果が出たという。柴田教授は「読み書きの能力が確立されていない子どもは読解力などでより顕著な差が生じる可能性がある。紙とデジタルの特徴、利点を踏まえ、場面に応じて使い分けるべきだ」と訴える。』
記事では他に、視力低下が懸念されていること、デジタル教科書の有識者会議で「紙との併用」を含めた5案が提示されてことが報告されています。
記事の全文は下から閲覧できます。北海道新聞パスポートの取得が必要ですが、無料で登録できます。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/552554
教育のデジタル化に反対するつもりは、私には毛頭ありません。ビデオを見たり、音声を聴いたり、デジタル化は間違いなく価値をもたらします。懸念は全てをデジタル化してしまうこと。デジタル化のデメリットが過少に評価されてしまうこと。紙か、デジタル化か、の両極端の議論になってしまわないことが私の期待です。
« 新潟日報、静岡新聞等でデジタル教科書に対するコメント掲載 | トップページ | 北海道新聞朝刊にデジタル教科書のインタビュー記事掲載 »
「新聞」カテゴリの記事
- 「ジャーナリスト新聞」にインタビュー記事掲載: 「紙」新聞の可能性 柴田博仁群馬大教授に聞く(2023.04.26)
- 業界紙「印刷新報」にインタビュー記事掲載: 「操作メディアとしての紙に存在価値」「本のまちづくりへ第一歩」(2023.04.25)
- 読売新聞朝刊 (群馬版) に編集部の記事掲載(2022.12.20)
- 出版業界誌「新文化」に記事掲載 (2022.12.1)(2022.12.07)
- 学生の本づくりが毎日新聞朝刊で紹介されました(2022.12.07)
« 新潟日報、静岡新聞等でデジタル教科書に対するコメント掲載 | トップページ | 北海道新聞朝刊にデジタル教科書のインタビュー記事掲載 »
コメント