【柴田博仁メルマガ】No.10: 山田かまち美術館
[2024年8月11日 配信]
群馬大学情報学部の柴田です。
お久しぶりで恐縮です。
2か月ぶりの投稿になります。
「時間ができたら」などと考えていても、
時間などできるはずがない。
目の前の仕事を全部脇へ追いやって、
現実逃避でメルマガを執筆中です。
本日、高崎の山田かまち美術館に行ってきました。
私の世代の人間にとって、山田かまちは絶大な存在。
膨大な絵と詩を残して、わずか17歳でこの世を去った。
死後10年以上が経過した90年代の初めに、
かまちの詩集や絵画集が次々と出版され、ちょっとしたブームになった。
心に突き刺さる絵とメッセージ。
強烈なインパクトがあった。
『山田かまちのノート』から「佐藤真弓に捧げる詩」を引用。
ぼくの心は 君を目的とした。
君の存在に ぼくの視線ははしる。
君の光は ぼくの心につながっている。
ぼくの心は 君に支配された。
ぼくはきみを追う。
(中略)
真弓 ぼくは君の名を呼ぶ
真弓 君はどこから来たのだ?
真弓 君とぼくは どこで出会った
真弓 君はいつまでも いっしょに進んでくれるかい?
数ページ先には、かまちのノートの写真が。
「佐藤真弓」という名前が何十回も繰り返して書かれている。
鮮烈で、直情的。
10代の恋の切なさに、心を鷲掴みされる。
これを見て思い出したのが、尾崎豊の『シェリー』だ。
シェリー いつになれば 俺は這い上がれるだろう
シェリー どこにゆけば 俺はたどりつけるだろう
シェリー 俺は歌う 愛すべきものすべてに
かまちの最初の詩集『悩みはイバラのようにふりそそぐ』
が出版されたのは、1992年。
くしくも、それは尾崎が亡くなった年だった。
そう。
私の中で山田かまちと尾崎豊はシンクロしている。
さて、山田かまち美術館は、高崎駅から徒歩30分というところか。
(私は車で行ったが)
17歳で亡くなった少年の美術館にしては、びっくりするほど大きい。
コンテンツも充実だ。
観光客も多いし、みんな熱心に見ている。
どの絵も詩も、強烈に人を惹き付けるものがある。
かまちが使っていたという勉強机でさえだ。
私が特に心惹かれたのは、小学校3年のときに描いたというトラやゾウの絵。
力がある。
うまいというより (実際、うまいのだが)、
動物の姿と動きの本質をよくとらえている。
見る目がいいのだ。
担任の先生が「この才能をどう育てたら良いのか?」と途方に暮れたのも頷ける。
思えば、小学校の頃、絵画コンクールで私たたびたび表彰されたことがある。
その絵は残念ながらもうないのだが、
きっと真面目な小学生が描いた丁寧だが、稚拙な絵であり、
かまちの絵のような力強さはなかったはずだ。
来場者の書き込みノートを見た。
「27歳。かまちが経験することのなかった10年を生きました」
「あなたの言葉が私を救いました」
かまちに語り掛ける言葉が多い。
「また来ました」
「今回が4回目」
何度も来ている来場者が多い。
かまちの精神性に触れたいのだと思う。
私だって、そう思った。
どうしても見たかった「青の自画像」の展示は、
残念なことに、今回はなかった。
それでもいい。
また行くつもりだし。
中学時代、山田かまちはBOOWYの氷室京介と同級生で、
一緒にバンドを組んでいたという。
氷室京介がかまちのお母さんに送った手紙があるらしいのだが、
今日はその展示もなかった。
高崎からの帰り、どうしてもBOOWYの「Cloudy Heart」を聴きたくなった。
ブックオフでCDを買って、車の中で何回も聴いた。
ロックでありながら、どこか寂しく、切ない。
こちらも、胸に刺さった。
研究室に戻って、YouTubeで2020年の氷室のライブを聴いた。
歳は取ったけど、氷室は昔よりいい男になったと思うし、
相変わらずの情熱的な歌い方だ。
生きていたら、かまちもこんな雰囲気だったのかと思ってしまう。
山田かまち、尾崎豊、氷室京介。
この3人に気づいた共通点。
3人とも綺麗な顔立ちをしている。
そして、寂しい目をしている。
どこか遠くを見ている。
かまち、尾崎、氷室に魅了された一日でした。
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