【柴田博仁メルマガ】No.4: デジタル教科書実験の報告
[2023年10月26日 配信]
柴田博仁メルマガご登録の皆様
お久しぶりです。
群馬大学情報学部の柴田です。
メルマガの第4回目をお届けします。
(お届けの頻度が少なくてごめんなさい)
夏休み中に『デジタル読書体験記』(仮題) を書き上げると意気込んでいたのですが、
完成させられませんでした。
エッセイも書き上げられていません。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」というところでしょうか。
そうこうしている最中に、4年生の卒業研究の時期を迎えました。
今度はそちらに集中です。
上記2冊の本の完成には、もう少し時間がかかります。
次に執筆に集中できるタイミングは、2月の中旬。
そんな中、嬉しいことが2つありました。
デジタル教科書実験の論文発表とNHKへの出演の決定。
本日は、この2つのことをお話しします。
■ デジタル教科書実験の論文発表
10月21日、信州大学工学部 (長野) で電子情報通信学会の研究会があり、
4年生の小林さんが研究発表を行いました。
小林 眞夢, 長谷川 彩乃, 安藤 裕, 小泉 健輔, 澤田 麻衣子, 柴田 博仁: 初等教育でのタブレット端末の評価: 算数授業での行動ログ分析. 信学技報, Vol.123, No.226, ET2023-21, pp.19-26 (2023年10月).
https://ken.ieice.org/ken/paper/202310212CXX/
2年前から行ってきた群馬県内の小学校でのデジタル教科書の評価実験の結果報告 第1報です。
とにかく、多くの人に協力していただいて、予算も時間もかけて実施した大規模実験です。
プロジェクトリーダーの私としては、
「ようやく、ここまでたどり着いた」という安堵の気持ちでです。
論文は残念ながら有料です。
学会の正式バージョンでなくてよければ、私に個人的にアクセスしてください。
<論文の概要>
授業でのタブレット端末の利用が小学生児童の学びや行動に与える影響を定量的に評価した。
1年生の2クラス (64名) が対象であり、一方では紙の資料を用いて、他方ではタブレット端末を用いて算数の授業を行った。
授業では、ペアでりんごを数えさせたり、分類させる課題を行わせた。
児童の行動と発話をビデオ撮影して、プロトコル分析を行った。
結果として、紙条件とデジタル条件とで課題の正答率に違いはなかったが、発想の転換が必要な回答例については紙条件のほうが多かった。
その理由として、紙条件のほうが発話量が多く議論が活性化し、課題について時間をかけて議論していた。
また、アイコンタクトの頻度が多く、相手との密なコミュニケーションが可能であった。
こうした紙の利点が問題構造を深く分析させたと推察された。
研究者自らがこんなことを言いだすのは控えるべきなのかもしれませんが、
私らしく、遠慮なく、率直に。
本研究は、
デジタル教育でのタブレット利用の問題点をミクロに定量的に示したという意味で、
とても意義あるものだと思っています。
いけてる研究のはずです。
世界中の多くの人々に伝えていきたい。
今回の発表は研究会ですので、
正式な学術論文というよりも、速報的な意味合いが強い報告です。
一部、報告していない実験結果もあります。
今後、詳細な報告を英文論文として投稿する予定です。
長野はうっすらと紅葉していました。
蕎麦も酒もうまかった。
20数年ぶりに、大学時代の友人に学会会場で出会いました。
偶然に。
物理を学んでいた彼は、今は教育工学を研究していました。
学生時代の思い出を話しながら酒を飲んだら、
それはうまいに決まっている。
■ NHKへの出演の決定
NHKのテレビ番組『趣味どきっ!』への出演が決まりました。
先日、オンラインで打合せをして、今週末に渋谷で収録があります。
放送は12月の予定 (決まったらまた案内します)。
NHKの教養番組らしく、放送に先立ってテキストが販売されます。
そこにも、私の短い記事が掲載されます。
番組の内容は「紙と手書き」の特集。
文具王の高畑正幸さんがメインで、
私は専門家の観点から、若干、コメントするだけです。
それでも、初めてのテレビ出演。
着ていく服の打合せをスタッフとしました。
明日はYシャツを買おうかと考えています。
収録はきっと緊張するでしょうね。
でも、楽しんでくる。
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