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2025年9月18日 (木)

【柴田博仁メルマガ】No.14: 少年よ、大志を抱け!

[2025年7月9日配信]

柴田博仁メルマガご登録の皆様

群馬大学情報学部の柴田です。
ご無沙汰しています。

先日、札幌に行ってきました。
講演のための出張ですが、観光もしてきました。

まずは、札幌市図書・情報館から。
本を貸し出さない、起業を支援する図書館。
どんなものなのか、以前から気になっていました。
下に簡単な私の報告があります。
https://hci-lab.inf.gunma-u.ac.jp/events/20250701_sapporo-lib.html

ですが、今回、私が報告したいのは、私の子どもの頃の思い出。
それから、北大のキャンパスです。

私には11歳年上の兄がいました。
私が記憶にとどめている最も古い (と思われる) 兄の影像は、
机に向かって勉強している姿でした。
今思えば、兄は受験勉強の真っ最中だったのです。
朝方まで勉強し、当時は早起きだった私に
「少し寝る。学校に行く前に起こせ」と。
私が小学校1年のころの出来事だったと思います。

その姿が、勉強に取り組む私のスタンダードになりました。
私が受験勉強の時期を迎えたとき、
私は兄と同じようにするのが当たり前なのだと思いました。
遊ぶことに一生懸命だった高校時代、
大学受験を決意した翌日から、いきなり猛勉強に取り組めたのは、
兄が見せてくれた背中のおかげなのだと思います。

翌年、兄は北海道大学に合格しました。
そのとき我が家でどんな喜びの声があったのか、
残念ながら私はよく覚えていません。
ですが、夏休みに兄が帰省したときの家族の喜びようは明確に覚えています。
母は食いきれないほどの煮物をつくり、ビールをダースで買い込みました。
まるでお祭りです。
父はお世話になった人への挨拶回りの計画を練りました。
いつも仕事ばかりの父親には、考えられない行動です。
自慢の長男を周囲に見せびらかしたかったのでしょう。

帰省した兄は、完全に我が家の英雄でした。
誰もが兄の話を聞きたがっているようでした。
いや、周囲のおばちゃんたちまでもが
兄の顔を見るために我が家にやってきたのだから、
兄は村の英雄だったのかもしれません。

少年のころの私は思いました。
「大学って、すごい人間が行くところなんだ」と。
「俺なんか、絶対に無理」と、大学に畏怖も感じました。

小学校3年の冬、雪まつりに合わせて、
両親が兄の様子を見に、札幌に行くことになりました。
幼かった私も同伴の機会をもらいました。

兄は札幌市内の秋田県人会の寮に住んでいました。
寮から北大のキャンパスまでは、子どもの足で歩いて10分ほど。
キャンパスに入ってから兄の工学部の校舎までが20分ほど。
キャンパスの広さに驚きました。
ポプラ並木に雪がかかった白い風景が印象的でした。
胸に水色で「HOKUDAI」とプリントされた白いトレーナーを
兄に買ってもらいました。

小学校に通う少年から見た北大は、何とも言えずキラキラしていて、
そこに通っている兄はえらくすごい存在に思えました。

秋田に戻った私は、毎日「HOKUDAI」トレーナーを着て学校に行きました。
「たまには違うのを」という母親の忠告を無視し続け、
袖が破れても着続けました。

それから40年以上。
北大を訪れたことも何度かあったのですが、
観光目的でゆっくりと歩いたのは、小学校の冬以来。

夏の北海道は絵になります。
やはり北大はキラキラしていました。
中央ローンの淡い緑の芝生と澄んだ水の流れ。
エルムの森の大きなハルニレの木。
その脇に建つ緑と白の農学部の古い校舎。
カラフルなシャツを着て颯爽と歩く学生たち。
クラーク博士の銅像の前で写真を撮る観光客。
都会の真ん中だと思わせない牧歌的な雰囲気の中にあるポプラ並木。


実は、ここ最近、不愉快なことが続きました。
私にしてはめずらしく、気持ちがふさいでいました。
それでも、北大のキャンパスを歩いて、
気持ちがリセットされました。

研究をする上で、私は気持ちを前向きにすることを重視しています。
前向きになれない状態で仕事に取り組んでも、
生産性が上がらないからです。
忙しいときこそ、さっさと研究に取り組むのではなく、
まずは心を整えてから研究に入るようにしています。

一瞬にして気持ちを切り替えられる北大のキャンパスは、
そこで研究する研究者にとって大きな武器だと感じました。

札幌で癒されて帰ってきました。
ここしばらく、書籍の執筆が進んでいない。
さて、やるか。

 

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