【柴田博仁メルマガ】No.21: 山城へ行ってきました
[2026年3月20日 配信]
柴田博仁メルマガご登録の皆様
ご無沙汰しています。
群馬大学の柴田です。
最近、週末も仕事をしてます。
とにかく忙しいのです。
なのに思うような成果は出ていません。
時間の使い方に問題があるのでしょう。
そう思って、今日は仕事を放り投げて外に出ました。
行った先は、高崎市にある鷹留城。
箕輪城は城ファンの間では有名なのですが、
鷹留城はその支城。
鷹留城の訪問記に入る前に、
私の幼少期の話をしてみたいと思います。
テーマは、なぜ私は山城が好きになったのか。
【少年時代の思い出】
子どもの頃、私が住んでいた秋田市の外れに
羽川城という小さな城跡がありました。
戦国初期に羽川小太郎という地侍が作った城らしいです。
その城跡、今はだいぶ整備されて、
人が入れるようになっています。
ですが、私が幼かったころ、
羽川城は誰も踏み入ることのない雑木林、
いや単なる藪でした。
でも、冒険好きだった柴田少年は、
誰も踏み入ることのない藪にこそ魅力を感じてしまう。
そして、斜面を登り始めました。
藪の進行は困難を極め、最初の平地にすらたどり着くことができません。
ですが、その途中、白い石のようなものを見つけました。
小さいのですが、曲線が人工的。
ひときわ目立ったものとして私の目に飛び込んできました。
よく見ると茶碗のかけらです。
突然、体に電気が走りました。
少年はこう思ったのです。
戦国時代の誰かが私にメッセージを投げたのだと。
そして、数百年という時を超えて、
それを私が受け取ってしまったのだと。
以来、私は城が好きになりました。
それも、天守閣と堀がある観光地としての城ではなく、
山の中にひっそりとある、土でできた山城です。
当時は山城の本などありません。
数年分のお年玉をため込んで、
全10巻の城郭辞典 (小学館) を買い揃えました。
嘗め回すように読んだ。
何十回も。
3度のメシよりも城郭辞典の写真や地図を眺めるのが好きでした。
城の歴史や見どころを読むのも。
そして、たまに机の引き出しから茶碗の遺跡を取り出して、
戦国時代へと想いを馳せていました。
後で考えると、私が拾った茶碗のかけらは、
色がついていて、デザインが現代的です。
戦国時代の遺跡などではなく、
農作業をしていたおっさんが、
割れた茶碗を山に投げ捨てたものと思われます。
それだからというわけではないのですが、
高校生くらいから、少しずつ歴史への熱が冷めていきました。
それでも、拾った茶碗のかけらは、
私を城好きへと導いたアイコニックな遺跡であることに変わりありません。
社会人になって、再び歴史に興味を持つようになり、
少年時代の私の生き方を決めた茶碗のかけらを再び手にしたいと思いました。
帰省の際に必死で探したけど、
残念なことに、ついに見つかりませんでした。
【鷹留城】
長くなりました。
今日訪れた鷹留城に話を戻しましょう。
場所は榛名山の中腹。
周囲に家などなく、車でないと行けません。
なのに駐車場もない。
「鷹留城跡 0.3km」という小さな看板があるだけ。
看板下の小さなスペースに、車をほぼ路駐。
訪れる人がほとんどいないのは明らか。
細い道を山の中に入って行くと、
切り立った崖が見えてきた。
わざと山を削って、急斜面にした切岸 (きりざし) です。
両側が崖の通り道がある。
尾根を切り崩して人が通れるようにしたもので、堀切 (ほりきり) といいます。
時期にもよるのでしょうが、雑木も多く、
あまり整備されていません。
それでも、土塁の形はよく残っています。
鷹留城の写真については、
Facebookの投稿を参照してください。
https://www.facebook.com/hirohito.shibata.1/posts/pfbid0ZLsd1978u4xLrB9m7sgi8r1EDfhnVXKHE8UXfr7hAFmBtAXHghJAqpr8inbu8gvBl
木で覆われて、中は暗いし、
外からは、そこに城があるようにはとても思えない。
むしろ、人を寄せ付けない雰囲気がある。
それでも、いったん中に入るとこうして埋もれた城が見えてくる。
土塁は一部が崩れ、木が生え、斜面は雑木で覆われて。
まるでラピュタ。
誰も踏み入ることのない山の中で、
かつての栄華を感じ取ることができる。
この山城のロマンを少し感じ取ってほしくて、こんな話をしてみます。
天空の城として、インカ帝国のマチュピチョはあまりに有名です。
マチュピチョを訪れた人は、誰もが感動することでしょう。
行ったことのない私ですら、写真を見ただけでワオーですから。
でも、マチュピチョに最も衝撃を受けた人は、マチュピチョを見つけた人だと思うのです。
今は観光客も行けるよう整備されていますが、
当時、マチュピチョは荒れ放題だったはず。
何もないはずの山奥で、かつての人の営みをみつけた探検家の衝撃は相当なものでしょう。
それこそ、何万ボルトの電流が体を駆け抜けたことか。
それに近いような感情を、
山奥にひっそりとある埋もれた古城が与えてくれるのだと。
私はそう考えているのです。
【最後に】
さて、今日、私が訪れた鷹留城。
かなりよかった。
山城ファンとして格付けが高かったというより、
久しぶりに山城を訪れて、
空想を巡らせたことがよかった。
たまにこうする必要があるのだと思いました。
今日は研究の話はゼロでした。
メールのチェック以外、仕事もしませんでした。
明日から全力でやります。
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