[Adler 1998] A diary study of work-related reading: Design implications for digital reading devices
【文献紹介】
Adler, A., Gujar, A., Harrison, B., O'Hara, K., Sellen, A.J.: A diary study of work-related reading: Design implications for digital reading devices. In Proc. of CHI '98, pp.241-248, (1998).
http://portal.acm.org/citation.cfm?id=274679&coll=portal&dl=ACM
http://www.hpl.hp.com/personal/Kenton_Ohara/papers/reading_CHI.pdf
【概要】
15人の被験者の連続した5日間、業務に関連する読みについてダイアリー分析を実施。
航空機のパイロット (1人)
外科医 (1人)
臓器移植病棟の責任者兼看護婦 (1人)
住居の建築家 (1人)
不動産仲介人 (1人)
弁護士 (上級者と若手1人ずつ)
麻酔担当医 (2人)
更生施設の看守 (1人)
会計アシスタント (1人)
眼鏡商 (1人)
マーケティング・マネージャー (1人)
小さなベンチャー企業の役員 (1人)
ソーシャルワーカー (1人)
分析から得られた知見は以下のとおり。
- 読むことの偏在性。平均して、15人の被調査者によって行われた活動の82パーセントがドキュメントを伴うものであった。このドキュメントに関連する活動の70パーセントにおいて、何らかの読む活動が見られた。
- 紙の嗜好性。紙を用いた読み書きは、ドキュメントに関連する活動のトータル時間の85パーセントを占めることがわかった。オンラインでの読み書きは、トータル時間の13パーセントにしか満たなかった。
- 読みの多様性。読む活動は、様々な形態をとる。いろいろな目的でなされ、多様な活動と関係し合っている。
- 読みの目的の多様性。
- 書くことと連動。読む時間の75パーセント以上 (最高で91パーセント) はある種の書く活動と一緒になされた。
- 複数のドキュメントの利用。人が行なう読む活動の多くは、単一の紙や単一のコンピュータに限定されて行われるわけではない。むしろ、読むことは複数の紙を行き来しながら、また紙とコンピュータを行き来しながらなされた。これをもっと詳細に見ると、読むことに関する様々な活動に費やした時間のうち、単一の表示画面 (単一の紙または単一のコンピュータスクリーン) だけに依存した時間は、読みに費やされた時間の約半分であった。残り半分の時間は、読み手は少なくとも2つ (時には3つ以上) の表示画面を同時に利用していた。
読みを10種類に分類し、ダイアリーで収集した読みの事例を分類している。結果は以下のとおり。
- (28%) 相互参照の読み
- (25%) 質問の答えを探すための読み
- (21%) 議論のための読み
- (14%) 拾い読み
- (9%) 校正・編集のための読み
- (5%) 自己啓発のための読み
- (3%) 思い出すための読み (TODOリスト、買い物リスト、ポストイット)
- (2%) 確認のための読み (文書内容や作業文脈を確認するための読み)
- (2%) 学習のための読み
- (1%) 聞くことを助けるための読み
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